【特集】東北DRIPPERSが生まれるまで
東北DRIPPERSをもっと楽しみたいあなたへ。
【特集】では、東北DRIPPERSにまつわるあれこれをご紹介します。
今回は、東北の魅力を抽出するコーヒーたちがどのように誕生したのか、その背景をお伝えします。
このストーリーを知ることで、1杯の味わいがより深く、特別なものに変わるはずです☕
ぜひご覧ください!
東北DRIPEERSは、トレジオンが2020年に立ち上げたコーヒーブランドです。
その背景には、Tregion(トレジオン)株式会社の代表・吉田慶の東北への想いがあります。
吉田は東京都練馬区生まれ。
病院を経営する父の背中を見ていたからか、何か人の役に立ちたいという気持ちが昔からあったといいます。
自分がこれからどうなっていきたいのか、何をしたいのかがぼんやりしていて、もがいていた20代。
そんな矢先、2011年3月、東日本大震災が発生。27歳のできごとでした。
当時の吉田は、「こんな自分でも、力仕事だったら何か役に立てるかも」と、受け入れ先を必死で探し、岩手県へボランティアに向かいました。
復興支援というと、"助けに行く"というイメージを持たれる方も多いはず。
でも、吉田が感じたことは逆でした。
ボランティアの仲間と一緒に活動すること、被災された方々から感謝を伝えて頂けるのが本当に嬉しく、生きがいややりがいを与えて頂けるような感覚。
吉田は当時のことを「支援活動をしたいと思って東北へ行ったけれど、救われたのは自分のほうだった」と語ります。
そして、⼀⽣を懸けて東北に恩返ししていきたいと決意します。
そこから、 現地でのボランティアやNPO職員として⽀援活動を続けること約2年間。
持続的に活動を続けていくためには、やっぱりお金が必要で、そのお金を寄付金とか助成金とかだけに頼らず、自分たちでお金を生んでいくことが必要だ、という考えに辿り着きます。
そして、⾷を通じて東北に関わる⼈たちが集まることができる場をつくりたいと2013年の11月に東京赤坂で三陸の食材を使ったバル、「トレジオン」をオープン。
「ビジネスで東北を盛り上げる」と心に誓い、試行錯誤しながらも、同じ思いを持つ多くの方々に支えられながら東北の魅力を伝えるための店舗を拡大し、仲間も増え、少しずつ会社として成長していきました。
東北愛をもつ人々どうしでのコミュニティができはじめ、東北の自治体のイベントなども任せていただくようになり、決して順調とは言えないながらも、手応えを感じつつあった最中、2020年。
新型コロナウィルスが蔓延し、いわゆるコロナ禍となりました。
長く続くウイルスの猛威と、人々の不安。
当時運営していた8店舗全てが営業できなくなってしまった期間も…。
お客様に気軽にいらしていただくことができないもどかしい期間は、約2年間続きました。
吉田は「正直、大打撃を受けた」と話します。
「ビジネスで東北を盛り上げる」。
吉田は、飲食業が大好きでした。
しかし、ビジネスを成功させたいと思う以上、終わりの見えないコロナ禍での飲食業だけでは立ち行かなくなってきていました。
そして、実店舗が地域との架け橋のような役割ともなっていたにも関わらず、コロナ禍により満足にその役割を担えていない状態が続いたこともまた問題でした。
そこで吉田は、実店舗だけに頼らずともできるサービスや商品によって東北への思いを還元でき、同じ思いをもつ人々の心の拠り所になる可能性を模索します。
無い物ねだりはできない状態のため、できる限り「あるものを生かす」形で…
「コロナ化でも”東北のファン”を増やし続けたい」という一心で、どうやって乗り越えていくのかを社内で何度も何度も話し合いました。
そこで思いついたのが「コーヒー」でした。
じつは、吉田は自他ともに認める大のコーヒー好き。
好きが講じて小型の焙煎機を購入し、勉強と研究をし、自家焙煎コーヒーを各店舗でご提供するほどでした。
そうして「おいしい」と喜んでいただけるなかで、コーヒーで東北を発信したいと思うようになりました。
東北愛や、ビジネスで東北を盛り上げたいという思いを、コーヒーという形にできるかも。
そして、コーヒーなら、たとえこれからもしばらく東北や店舗に訪れづらい状況が続いても、ご自宅にいながらでも東北に思いを馳せる時間を届けられるかも!
こうして誕生したのが「東北DRIPPERS」です。
飲んでいただく時間を、その地域を思う時間にしてほしい、という願いを込めて作ったコーヒーたち。
2020年の販売開始時にクラウドファンディングを立ち上げ、スタート開始5日目で目標の300万円を達成することができました。
支援者のなかには常連さんもいらっしゃれば、遠方にお住まいで「東北のことをやっている会社が潰れてほしくない」という気持ちからお店に来れずとも買ってくださる方も。
こうしてクラウドファンディングをきっかけに、やっぱりこのままお店を無くしちゃダメだよな、頑張らなきゃな、と背中を押され、諦めずに走り続ける勇気と覚悟をあらためてもつことになります。
そして、2024年現在。
東北DIRPPERSは、ドリップパックの出荷数が30万個を超えるほど愛されるコーヒーブランドになりました。
ここまで諦めずにこられたのは、応援してくれるお客様の存在と、大変なときに一緒に頑張ってくれたスタッフの存在があったからでした。
わたしたちの東北愛を形にする挑戦はまだまだ続きます。
東北を愛するみなさまも、ぜひ「東北DRIPEERS」の一員と思っていただきながら、コーヒーを飲みながら東北に想いを馳せていただけたら嬉しいです。
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●東北DRIPPERS運営会社:Tregion株式会社
トレジオンは、東北のファンづくり会社です。
https://tregion-bal.com/